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· 約6分

生活保護の申請書にこのようなページがあります。(同意書の部分)

生活保護の申請書 銀行等への照会の同意書

この同意書に同意しなくても生活保護の申請はできます。 「同意しなければ申請・受給できない」という法的根拠はありません。

同意しなくても照会はされる

しかし同意しなかったとしても、保護の実施機関はそれに関係なく照会を試みることが可能です。

生活保護法第二十九条

保護の実施機関及び福祉事務所長は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条の規定の施行のために必要があると認めるときは、次の各号に掲げる者の当該各号に定める事項につき、官公署、日本年金機構若しくは国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第三条第二項に規定する共済組合等(次項において「共済組合等」という。)に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社、次の各号に掲げる者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる。
一 要保護者又は被保護者であつた者 氏名及び住所又は居所、資産及び収入の状況、健康状態、他の保護の実施機関における保護の決定及び実施の状況その他政令で定める事項(被保護者であつた者にあつては、氏名及び住所又は居所、健康状態並びに他の保護の実施機関における保護の決定及び実施の状況を除き、保護を受けていた期間における事項に限る。)
二 前号に掲げる者の扶養義務者 氏名及び住所又は居所、資産及び収入の状況その他政令で定める事項(被保護者であつた者の扶養義務者にあつては、氏名及び住所又は居所を除き、当該被保護者であつた者が保護を受けていた期間における事項に限る。)
2 別表第一の上欄に掲げる官公署の長、日本年金機構又は共済組合等は、それぞれ同表の下欄に掲げる情報につき、保護の実施機関又は福祉事務所長から前項の規定による求めがあつたときは、速やかに、当該情報を記載し、若しくは記録した書類を閲覧させ、又は資料の提供を行うものとする。

実際に照会に応じるかどうかは、相手が公的機関なのか民間なのかによります。

第二項に書かれているように、官公署の長、日本年金機構又は共済組合等は、照会されればそれに応じて資料を提供する必要があります。 本人の同意は関係ありません。

しかし、銀行や雇い主など民間の場合、応じる義務はありません。 義務はなくとも実際に応じるかどうかは申し訳ありませんが不明です。 経験がある方は教えていただけると幸いです。

顧客や従業員の個人情報を同意なく提供することはないような気もするし、 銀行の口座開設時にプライバシーの免責事項などとして「公的機関には情報を提供する」といった内容に私たちは同意しているはずなので、提供されるような気もします。

· 約3分

生活保護は「働きたくない」というだけの理由で受けることができます。

確かに生活保護を受けるために必要ないくつかの要件のうち「能力の活用」というものがあります。

生活保護法第四条(一部)

保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

これが「生活保護を受けるためには働けない理由が必要」と言われるゆえんです。

しかし同条にこのような記述もあります。

生活保護法第四条(一部)

3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

(「前二項」には「能力の活用」が定められた項を含みます。)

「急迫した事由」とは「生存が危うくされるとか, その他社会通念上放置し難いと認められる程度に状況が切迫している場合」のことです(判例など)。

仕事を辞めて貯金を使い切って、明日食べるものもない状態となれば、それはまさに急迫した事由です。 それにより、能力の活用をしていなくても受給することができます。

· 約2分

現在住んでいる家で、高価すぎない家であれば、保有したまま生活保護を受けることができます。 しかし、資産価値が非常に高い場合、つまり売却して引っ越し代や当面の家賃や生活費に充ててもおつりが来るような場合は売却する必要があります。

その判断基準は 2000 万円です。

社会保障審議会資料

・ 処遇検討会等での検討に付する目安額としては、当該実施機関における最上位級地の標準3人世帯の生活扶助基準額に同住宅扶助特別基準額を加えた額の概ね10年分(約2千万円程度)を目処。

この資料はあくまで資料に過ぎず法的拘束力はありませんが、保護の実施機関はこれをもとに判断するでしょう。 それに不服を申し立てたり、裁判したりする場合は、この資料よりも合理的だと思わせる論理が必要です。