生活保護を申請する
生活保護を申請するためには、お住いの市町村役場に行くか、そこに申請書を郵送、メールなどで送ることができます。
ただし、完全にリモートで完結はできないと思われ、事情の聞き取りなどのために役所にいつかは役所に行く必要があります。 そのため、最初から役所に行ったほうがスムーズです。
現住所がない場合でも、現在地(居所)の役所でできます。
生活保護の実施責任者
Section titled “生活保護の実施責任者”生活保護の申請を受け付けたり、審査したり、実施したりする責任者のことを 「保護の実施機関」といいます。
保護の実施機関は市町村の種類によって以下のように分かれています。
自治体の種類 | 保護の実施機関 |
---|---|
市 | 市長 |
福祉事務所のある町村 | 町村長 |
福祉事務所のない町村 | 都道府県知事 |
生活保護法第十九条(一部)
都道府県知事、市長及び社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に規定する福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)を管理する町村長は、次に掲げる者に対して、この法律の定めるところにより、保護を決定し、かつ、実施しなければならない。
一 その管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する要保護者
二 居住地がないか、又は明らかでない要保護者であつて、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの…
4 前三項の規定により保護を行うべき者(以下「保護の実施機関」という。)は、…
居住地がない要保護者は、上記のとおり、現在地の保護の実施機関が担当することになります。
保護の実施機関は管理下の行政庁に事務を委任することができます。
**生活保護法第十九条**第4項
前三項の規定により保護を行うべき者(以下「保護の実施機関」という。)は、保護の決定及び実施に関する事務の全部又は一部を、その管理に属する行政庁に限り、委任することができる。
すべての自治体はこれに基づいて「生活保護に関する事務を ○○ 福祉事務所長(○○ 支庁、○○ 地方事務所長)に委任する」という旨の規則を定めています。 なぜならそのような規則を定めるように厚労省から通知されているためです (生活保護法施行細則準則について)。
市・福祉事務所のある町村
Section titled “市・福祉事務所のある町村”すべての都道府県と市には必ず福祉事務所が設置されていますが、町村の設置は任意です(社会福祉法第十四条)。
そのため、「市」または「福祉事務所のある町村」の場合は、市町村役所に行けば、その内部にある福祉事務所で生活保護を申請できます。
福祉事務所のない町村
Section titled “福祉事務所のない町村”福祉事務所がない町村では、都道府県の福祉事務所長、支庁長、地方事務所長が実質的な保護の実施機関になります。 しかし町村長は、市民と保護の実施機関とのやり取りを中継することが定められているため、 結局、町村長役場に行けば生活保護を申請できることになります。
生活保護法第十九条 第7項
町村長は、保護の実施機関又は福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)が行う保護事務の執行を適切ならしめるため、次に掲げる事項を行うものとする。
一 要保護者を発見し、又は被保護者の生計その他の状況の変動を発見した場合において、速やかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を通報すること。
二 第二十四条第十項の規定により保護の開始又は変更の申請を受け取つた場合において、これを保護の実施機関に送付すること。
三 保護の実施機関又は福祉事務所長から求められた場合において、被保護者等に対して、保護金品を交付すること。
四 保護の実施機関又は福祉事務所長から求められた場合において、要保護者に関する調査を行うこと。
要するに、生活保護を申請したり、保護費を受け取ったりするためには、市町村役所に行く or 書類を送るすればよいわけです。
申請書をもらう
Section titled “申請書をもらう”申請書の形式は保護の実施機関ごとに規則で 決まっています。 役所でもらうか、インターネット上で例規集のようなものが公開されている自治体であれば、そこに含まれている可能性があります。
ネットで申請書を探す
Section titled “ネットで申請書を探す”「○○ 市 例規」 「○○ 県 規則」などと調べます。 (体感として、8 割くらいの自治体が例規集を公開しています。)
例規集がヒットすればそれにアクセスし、さらにその中で「生活保護」と検索すれば「生活保護法施行細則」という規則が見つかるでしょう。
(例)新宿区生活保護法施行細則
(申請書)第 4 条 法第 24 条第 1 項本文(同条第 9 項において準用する場合を含む。)の申請書の様式の標準は、保護申請書(第 11 号様式)とする。
…
3 省令第 1 条第 6 項の規定により提出を求める書類の様式の標準は、次のとおりとし福祉事務所長が必要と認めるものとする。
(1) 資産申告書(第 12 号の 2 様式)
(2) 給与(賞与)証明書(第 13 号様式)
(3) 収入・無収入申告書(第 14 号様式)
(4) 同意書(第 14 号の 2 様式)
(5) 生業計画書(第 15 号様式)
(6) 住宅補修等計画書(第 16 号様式)
のような申請に関する条文が見つかるので、リンクされている申請書をダウンロードして使いましょう。 たいていは複数枚あるので注意。
“相談”する
Section titled ““相談”する”よく言われていることですが、役所に行くと即座に申請させるのではなく、 「相談」という形で事情を説明することになるでしょう。
これ自体は悪いことではなく、いずれはしなければならないことなので、 素直に応じておきましょう。
ただし、絶対に申請書を提出してから帰ることだけは忘れないでください。 「今のあなたでは申請しても受給できない」などと言われたとしてもです。
申請後の流れ
Section titled “申請後の流れ”生活保護の申請後、原則として14日以内、長くても30日以内に結果が書面で通知されます。
生活保護法第二十四条
第三項の通知は、申請のあつた日から十四日以内にしなければならない。ただし、扶養義務者の資産及び収入の状況の調査に日時を要する場合その他特別な理由がある場合には、これを三十日まで延ばすことができる。